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・はじめに

電流帰還アンプの音を始めて聞いた人の多くは、その音の広がり・高音の再現性 ・低音の重厚感に驚く事だろう。
これは「電流帰還アンプはスピーカの性能を最大に引き出す」事が出来るように設計されている為だ。
ここでは、今回製品化された電流帰還アンプが何故、従来のアンプに比べて明らかに音の再現性が高いのか、
それをなるべく簡単に解説していきたいと思う。

・スピーカーのインピーダンス

スピーカに記載されているインピーダンス。
4Ω/8Ω・・・大きいものになると32Ω等も見かける。

よく知られている話ではあるが、このスピーカのインピーダンスは入力される周波数によって大きく変化する。
カタログに記載されているインピーダンスは通常、400Hzや直流時のインピーダンスが記されている。

さて、次のグラフはある8Ωスピーカのインピーダンスを実際に測定してみた結果である。



低音域や高音域で顕著にインピーダンスが大きく上がっているのが分かる。
もちろん、スピーカのインピーダンス測定は一筋縄では行かない所があり、計測方法等にも左右されるのは事実だ。
しかし、そのような計測上の難しさがある事はひとまず置いておいても、
「スピーカのインピーダンスは入力周波数によって変化する」と言う点については疑う余地は無い。

ではスピーカのインピーダンスが入力周波数によって変化する、と言うのは音を考える上で
どのような意味を持ってくるのだろうか。

・出力電力と音量

音は、スピーカが振動し、その圧力によって近くの空気が圧縮され、
その空気がまた近くの空気を圧縮する、と言う伝達の繰り返しによって耳に伝えられる。

人間は、その空気振動の周波数と圧力を鼓膜で感じる事で、様々な音色を認識する事が出来る。
すなわち、スピーカとアンプに求められる機能とは、もともとの音楽データから、
如何に忠実に「周波数と圧力(音量)を再現できるか」であると言う事が出来る。

ここで、スピーカから出る音量とアンプの出力の関係を順を追って考えてみよう。
まず、パソコンや音楽プレイヤーで再生された音楽は、音声信号として接続されたアンプに入る。
アンプでは入ってきた信号にしたがって、出力電力と言う形で電気エネルギーをスピーカに伝える。

スピーカは入力された電気エネルギーを運動エネルギーに変換し、それが更に空気の運動エネルギーに
変換されて音となる。ここで、注意しなくてはいけないのは、音量と比例関係にあるのが
「アンプからの出力電圧」では無く「アンプからの出力電力(エネルギー)」である所である。

「アンプからの出力電圧」と「音量」は単位系が違うため、直接の因果関係は無い。
音量を忠実に再現するためには、出力電力が大切である、と理解してほしい。

では、次に、一般のアンプと電流帰還アンプの出力電力について、比べてみよう。




・一般のアンプと電流帰還アンプの出力電力

一般アンプの基本的構造はオペアンプで言う所の非反転増幅回路であるので、
入力に対して電圧が増幅される形で出てくる。
この時、接続されているスピーカのインピーダンスが一定であれば、入力に比例する形の電力が得られる。
一般アンプの製品仕様をみてみると、出力電力に「10W+10W(@4Ω)」を言うような記載を見ることが出来るが、
これは、インピーダンスが4Ωの時に出力が10Wになりますよ、と言う事を示している。
しかし、逆に言うとインピーダンスが4Ωよりも高くなると、出力もそれに伴い落ちる事になるのだ。

先に述べたように実際にはスピーカのインピーダンスは周波数によって大きく変化する。
特に、先のグラフからもわかる通り、低音域と高温域でのインピーダンスの上昇が著しい。
一般アンプでは、例え20W出力を謳ったアンプでも、インピーダンスの上昇によって、低音や高音では
出力を出す事ができていないのだ。
この事は、低音不足や高音不足として現れてくる。

さて、次に電流帰還アンプの出力特性とくらべてみよう



電流帰還アンプでは、インピーダンスの変化によらず一定の出力が出ている事がお分かりいただけるだろうか。

細かい原理の説明は省略するが、電流帰還アンプはインピーダンスの変化によらず一定の出力が得られるように
調整されたアンプなのだ。 この事はすなわち、全ての周波数で入力信号に対して
適正な出力電圧を出せる事を意味しており、低音不足/高音不足に陥らない事を意味している。

電流帰還アンプの製品仕様には、出力電力に「0.5W+0.5W(@4Ω〜16Ω)のように記載されている。
これはすなわち、電流帰還アンプはインピーダンスの変化によらず一定の出力を出せる事を意味している。
以上、一般アンプと電流帰還アンプの出力電力についてまとめてみた。

次は、スピーカの周波数特性を見てみよう。


・スピーカの周波数特性とアンプの周波数特性

スピーカメーカーでスピーカの周波数特性をグラフで掲載している場合がある。
一般的に、このグラフはすべての周波数でなるべくフラットであるのが好ましいとされている。

それが全ての周波数の音を正確に表現するのに必要な事だからだ。
さてこのグラフ、横軸は周波数であり、縦軸はdBとなっているのが多いのではないだろうか。
言うまでもなく、dBは入力と出力の比である。 ここで言う、スピーカの入力とはすなわちアンプの出力である。

ところが、本編で述べたように、スピーカのインピーダンスは周波数によって変化するため、
一般のアンプを使用すると出力電力は周波数によって変化してしまう。
周波数特性のグラフは縦軸がdBであるため、これがいかにフラットであっても、
入力(アンプの出力電力)が変化すればスピーカからの出力はボコボコの形となってしまうだろう。

つまり、どんなに周波数特性の良いスピーカを使用しても、全ての周波数で一定の出力を出せるアンプが無い限り、
スピーカの本来の性能を出す事はできないのである。
電流帰還アンプを用いて初めて、スピーカメーカが掲載している周波数特性で音を出すことが出来るのだ。

・おわりに

さて、最後にここまで説明してきた事をひと通りまとめてみよう。

.好圈璽のインピーダンスは入力信号の周波数によって変化する
音量はアンプの出力電圧では無く、出力電力に比例するので、入力信号を正しくスピーカに伝えるためには、
  入力信号に比例した出力電力を出す必要がある
0貳未離▲鵐廚賄徹義幅を行うため、スピーカのインピーダンス変化によって出力電力が一定とならず、
  このため低音不足/高音不足が発生する
づ杜帰還アンプは入力信号に対して、インピーダンスの変化によらず
  一定の出力電力を出せるように設計されているため、全ての音域で入力信号を忠実に再現出来る


電流帰還アンプは、低音不足/高音不足などが発生せず、
スピーカの性能を最大に発揮する事が出来るスピーカアンプである、と言う事がお分かりいただけただろうか。

以上、本電流帰還アンプキットは何故低音/高音を忠実に表現する事が出来るのか、
と言う理屈を簡単に説明してみた。
より深い内容が気になる方は本キットの監修をされた小野寺氏のHPを参照していただきたい。
[e電子工房|Power Amplifier] http://einstlab.web.fc2.com/Amp/Amp.html

電流帰還アンプへの理解がより深まる事だろう。 また、ここでは詳しくは述べないが、
この電流帰還アンプキットは電源ノイズフィルタ回路やポップ音除去回路なども搭載している。
キットでありながら、そのまま普段使いのスピーカアンプとして使用する事が出来る品質を有しているのだ。



もし、これをお読みの方がまだ電流帰還アンプの音をまだ体験したことが無いのであれば、
是非このキットをお試しいただきたい。
低音/高音がしっかり再現され、アンプだけでここまで変わるのか、と驚かれる事だろう。
組立済品も用意されているため、ハンダ付けが苦手な方もすぐに試す事が出来る。


最後に、このような素晴らしいアンプの製品化にあたり監修/技術提供を行なってくださった
小野寺氏に感謝の意を表する次第である。


2013年2月某日 株式会社ビット・トレード・ワン 阿部






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