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模型製作において、LEDを使ってパーツを光らせる電飾カスタマイズは、作品にリアルさとインパクトを加えるための人気の技術です。しかし、光を使うとなると一つの大きな問題が出てきます。それは、「光漏れ」です。特に塗装をしないモデラーが電飾を考えた場合、難しいのは遮光です。

光漏れを防ぎ、狙った部分だけを美しく光らせるためには「遮光テクニック」が欠かせません。

これまで、遮光は主にブラック塗料を使って行われてきましたが、初心者にとっては少しハードルが高いと感じるかもしれません。塗装にはコツが必要で、均一に塗るのはなかなか難しく、乾燥時間もかかります。そんな時に頼りになるのが、「遮光ブラック フィルム」です。

まずは従来の遮光方法について考えてみましょう。

1. ブラック塗料を用いた遮光

   方法: 内部パーツや外装の裏面にブラック塗料を塗布することで、光が透過しないようにします。通常はエナメル塗料やアクリル塗料が使われます。

   メリット: 塗料を塗るだけなので手軽かつ製作時に追加の材料を購入する必要がなく、既存の塗装技術で対応可能です。

   デメリット: 均一に塗るのが難しく、ムラができることがあり、特にクリアパーツでは完全な遮光が難しい場合があります。また、何層も重ね塗りが必要になることがあり、作業時間がかかることもあります。

遮光のためにパーツ裏を黒く塗ったところ

 2. シルバー塗料の使用

   方法: ブラック塗料の上にシルバー塗料を重ね塗りすることで、さらに光を遮断します。シルバーは光の反射率が高いため、ブラックの上に塗ることで二重の遮光効果を得られます。

   メリット: ブラック塗料だけでは遮光が不十分な場合に有効で、二重の効果によって光の漏れをさらに抑えることができます。

   デメリット: 手間がかかる上、塗膜が厚くなるとパーツの接合に影響を与える可能性があります。また、塗り重ねによって塗装が剥がれやすくなるリスクもあります。

遮光のため黒の上にさらにシルバーを重ねました。

従来の塗料を使った遮光方法の課題

精度の問題: 塗料を均一に塗るのは難しく、特に細かい部分や複雑な形状のパーツでは、完全に光を遮断するのが難しいです。

作業時間: 塗装には乾燥時間が必要で、何層も重ね塗りする場合、製作時間が大幅に延びます。

重量と厚み: 塗料を重ねることで、パーツの重量が増し、また塗膜の厚さによってパーツのフィット感が悪くなることがあります。

剥がれやすさ: 塗装後のパーツが動いたり擦れたりすることで、塗料が剥がれてしまい、遮光効果が損なわれるリスクがあります。

従来の塗料を使った遮光方法は、多くの模型工作愛好者が長年用いてきた手法ですが、精度や効率に課題があるため、今回の遮光ブラックフィルムのような新しい素材が注目される理由でもあります。

遮光ブラック フィルムの何がそんなに良いの?

1. 簡単に使えるから、失敗しにくい!

   遮光フィルムの最大の魅力は、何といってもその「使いやすさ」。模型工作初心者でも、カットしてパーツに貼るだけでしっかりと遮光できるので、光漏れの心配がありません。従来の塗料を使った遮光方法では、塗りムラや厚みのコントロールが難しく、初心者には少し難易度が高いものです。フィルムなら、貼るだけで均一な遮光効果を得られるので、誰でもプロ並みの仕上がりを目指せます。

2. 作業時間を大幅に短縮!

   塗料で遮光する場合、何層も塗り重ねる必要があり、その都度乾燥時間が必要です。これでは、せっかくの製作時間が長くなり、気持ちが続かなくなってしまうことも…。一方、遮光フィルムなら、貼った瞬間に遮光が完了。塗料のように乾燥を待つ必要がなく、作業がどんどん進みます。

3. 薄くて柔らかいから、どんなパーツにもピッタリ!

   キットには、曲面や細かいパーツがたくさんあります。従来の厚い遮光材だと、これらのパーツにフィットさせるのが難しいこともありますが、遮光フィルムは厚さわずか26μmの極薄設計。柔軟性が高いため、どんな形状にもピタッと貼り付きます。これなら、初心者でも安心して使えますね。

4. 強力な粘着力で、剥がれにくい!

   遮光フィルムには、強力なアクリル系粘着剤が使われており、プラスチックやレジン、発泡体など様々な素材にしっかりと接着します。塗装による遮光だと、パーツの動きや接触で塗料が剥がれることがありますが、このフィルムならそんな心配も不要です。完成後も美しい仕上がりが持続します。

フィルムなら貼るだけで強力な遮光効果を発揮

以下は、従来の塗料を使用した遮光方法と遮光ブラックフィルムを使用した遮光方法の比較表です。

従来の塗料を使った遮光方法遮光ブラックフィルム
遮光性高いが、ムラができる可能性あり非常に高い(全光線透過率0.1%未満)
厚み・重量重ね塗りすると厚くなる極薄(26μm)、軽量
使いやすさ塗装スキルが必要、時間がかかるカットして貼るだけで簡単に使用可能
均一性塗装のムラや塗り忘れにより遮光ムラ発生する可能性がある均一に遮光でき、遮光ムラがない
作業効率乾燥時間が必要、複数回の塗装が必要すぐに貼り付けて遮光可能で、作業時間が短縮される
耐久性擦れや動きで塗装が剥がれる可能性がある強力な粘着力で剥がれにくい
素材対応力主にプラスチック用。金属や発泡体にはプライマーなど専用塗料が必要プラスチック、レジン、発泡体など多様な素材に対応
仕上がり仕上がりがスキルに依存誰でも均一で高品質な仕上がりが得られる

遮光ブラックフィルムは、精度や作業効率、耐久性の面で従来の塗料を使った方法に比べて多くの利点があることがわかります。

特に、簡単かつ確実に遮光が必要な場面では、フィルムを使用する方法が優れています。

サーフェーサーとフィルムでの遮光実験です。

模型製作をさらに楽しくする「遮光ブラック フィルム」は、初心者にとって強力な味方です。使いやすさ、作業効率、仕上がりの美しさ、どれをとっても優れたこのフィルムを使えば、あなたの作品がワンランクアップすること間違いなし!カスタマイズを楽しみながら、ぜひこのフィルムを試してみてください。光の演出が、あなたの作品を一層魅力的にしてくれますよ。

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